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ARRI、DARK BAYバーチャル プロダクション ステージの構築をサポート

ARRIは、ベルリン近郊のバーベルスベルクにおけるDARK BAY バーチャル プロダクション ステージの構築のために、パートナーと共同で初期の企画から最終的な設置まで、すべてに関する専門知識と最高品質の機材を提供しました。

Oct. 6, 2021

DARK BAYバーチャル プロダクション ステージは映画およびテレビシリーズの制作のために構築され、最先端のLEDを使ったバーチャル背景を備えています。現在、恒久的に設置されたLEDスタジオのうち最大規模のひとつであり、ミックス・リアリティの映画制作に使用されています。よく知られているStudio Babelsberg AGのロットに設置されたDARK BAYは、複数のスタジオと広大な映画用インフラストラクチャを備えた大規模プロダクション設備に組み込まれています。このステージには全体で1470台のROE RUBY 2.3 LEDパネルとSkyPanel、Orbiter、ALEXA Mini LFといったARRI製照明機器とカメラ機材、そしてViconやTrackMen製のトラッキング機器、NVIDIA製グラフィックカードが装備されています。形状は直径23 m、高さ7mの楕円形で、非常に広いカメラアングルが可能で、さらに全体的にも広く使えます。またLEDパネルは他のLEDボリュームに比べピクセルピッチが小さく、画像アーティファクトがカメラとLEDウォールの間で発生するため、扱いやすくなっています。またLEDボリュームは約21 mで構築されており、電動の回転式ステージによりクリエイティブの可能性が大幅に広がり、撮影の効率を劇的に向上させることができます。このような機能を持った設備は世界中を探しても他にありません。

ARRIの最初のミックス・リアリティ スタジオのリファレンスプロジェクトのひとつとして、ARRIソリューショングループは全体的なテクニカルトレーニングに関するコンサルタントサービスとDARK BAYバーチャル プロダクション ステージの構築に必要なすべての要素の設置、調整、監督業務を行いました。「将来的に、アートとテクノロジーはDARK BAYで融合するでしょう。最高品質の制作のために、最先端のハードウェアとエンジニアリングサービスを組み合わせ、クライアントとビジネスパートナーが緊密に連携できるよう働きかけ、システム全体を革新的なものとしました。」とARRIの取締役であるMarkus Zeilerは述べます。「この目標のプロジェクトを実現させるために、カメラシステム (Camera Systems)、ライティング (Lighting)、レンタル (Rental) といったARRIのすべての事業部門がARRIソリューショングループ (Solutions Group) のプロジェクト管理のもと、密接に連携しながら業務に取り組みました。」各国からの経験豊富なエンジニアとプロジェクトマネージャーと、高品質でユーザーにとって使いやすいと評判のARRI製品、そして世界的なネットワークを駆使することで、お客様の役に立つことができました。

次の動画でDARK BAYの構築作業をご覧ください。

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DARK BAYステージのアイデアは、Netflixで人気のプログラム『ダーク』のクリエイター、Jantje FrieseとBaran bo Odarによるものでした。彼らはこのスペースを使って、自分たちの次の作品のビジョンを実現し、同時にヨーロッパで最大かつ最先端のミックス・リアリティ スタジオを作ろうと試みました。この非常に高度な目標を達成するために、彼らの制作会社であるDARK WAYS GmbHはStudio Babelsberg AGとパートナーシップを組み、2020年にDARK BAY GmbHを設立しました。ブランデンブルク州の経済労働エネルギー省 (Ministry of Economic Affairs, Labor and Energy) の資金援助を受けた彼らはスタジオを構築し、現在は運営を担当しています。Netflixより現地のコンテンツ制作のための長期利用予約を受けたことで、投資が可能となりました。またNetflixとは別に、インフラストラクチャに関しては今のところ空きがあるため、どのフィルムメーカーもボリューム予約が可能です。

ARRIは、レンタルやポストプロダクション業務を通してNetflixシリーズ『ダーク』の製作に密接に関わり、そのクリエイターにとっては長年のパートナーでした。スタジオ計画の初期段階において、ARRIはDARK BAYに加わり、すべての事業部門で当社の持つ幅広い能力によりサポートを提供しました。ALEXA LFのようなARRI製カメラは、『マンダロリアン』以降、バーチャルプロダクションには欠かせないものとなっています。ARRIのカラーマネージメント、画像科学、光学、照明技術および現代的なワークフローへの統合における経験は何十年にもわたります。ARRIソリューショングループは何年もの間、世界中で最高品質の映画、テレビ、放送スタジオのデザイン、企画、実行を手がけてきました。また新たな制作ワークフローをサポートするための経験と人材、そしてハードウェアとソフトウェアを有しており、必要なスタジオ機材をすべて迅速に供給することができます。

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DARK BAYとARRI (左から右へ):Jantje Friese、Baran bo Odar、Philipp Klausing (すべてDARK BAYスタッフ)、Nik Summerer (『1899』のDP)、Christina Caspers-Römer (DARK BAY)、Dr. Michael Neuhaeuser、Dr. Johannes Steurer、Stefan Soellner、Stephan Schenk、Elfi Kerscher、David Bermbach (すべてARRIスタッフ) 撮影:© Alex Forge/Netflix

DARK BAYSの重要なプロジェクトのために、ARRIカメラシステム部門のエキスパートがARRI Mini LFセットとUMC-4を提供しました。また彼らはメタデータを扱うためにUnreal© Engineプラグインのプログラミングのサポートを行い、カラー補正、モアレテスト、シミュレーションにおける専門知識も提供しました。ARRIレンタル部門は照明機器、グリップ、カメラ機器、そしてDARK BAYが初めて主導となって製作を行ったNetflixの『1899』に使用されたカスタムデザインのALFAレンズを提供しました。これは個別の映像の要求に合わせただけではなく、LEDスタジオでの撮影のためにも最適化されたものです。最初にARRIライティング部門は70台を超えるSkyPanels S60-Csを提供しました。一方、直接照明として強力で、なおかつ他のミックス・リアリティのセット環境でも使用できるという多用途性を備えたOrbiterランプヘッドを50台以上追加して組み合わせました。

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70台以上のARRI SkyPanels (写真) と50を超えるARRI OrbiterランプヘッドがDARK BAYに設置された。撮影:© Alex Forge/Netflix

ARRIソリューショングループはすべてのサブセクションの統合を図り、現場におけるパートナー調整を行い、DARK BAYの機材一式のいわばゼネコンの役割を果たしました。また、ベルリンで使用されている技術と同じものを使用したミュンヘンのリファレンススタジオにもすべての部門が関わっており、ツールの開発や技術の評価、統合のテストの実施には精通しています。

「ARRIソリューショングループは企画全体に関与」

「2021年春、私たちはStudio Babelsberg AGで高性能LEDスタジオを3ヶ月という記録的な短期間で作り上げました。ARRIソリューショングループのチームは、LED、照明、カメラ、データ技術まで及ぶ幅広い知識を持ち、縦断的に統合されたサービスを提供できる数少ない組織のひとつであり、企画全体に関与しました。」と説明するのはDARK BAY GmbHの常務取締役 (Managing Director) かつ『1899』のプロデューサーであるPhilipp Klausing。「ディレクション、カメラ、照明およびVFXなど、クリエイティブ面と技術面のニーズをバランスよく組み込むことは、スタジオのクリエイティブ面における意図を反映するためには絶対に必要なものでした。ARRIソリューショングループが提供する高いレベルのバンドリング能力は、スタジオにとって、予定通り進めつつ品質を保ちながら組み立てと提供まで行うためには重要な要素でした。」

ミックス・リアリティによる制作は比較的新しい技術のため、チームはDARK BAYバーチャル プロダクション ステージで作業を行うプロセスから多くのことを学びました。特に、ミックス・リアリティ技術から多くの経験を得ることができ、極めて納期が短い場合の作業の進め方も学ぶことができました。映画とテレビのスタジオのお客様のニーズの違いによっても知識を得ることができました。技術的に完璧で最先端のスタジオを作ったからと言って、十分な結果を得られるとは限らないのです。経験豊富なVFXスタッフ、スタジオスタッフ、そして映画製作チームこそがパズルの欠かせないピースなのです。そうは言っても、完璧なスタジオが基本になければ、すべての努力は無駄になってしまうということも事実です。

「DARK BAYは完成したステージにとても満足しています。それが重要なのです。」

このプロジェクトの最大の問題は、計画期間が非常に短かったということです。ARRIは2020年10月にステージのすべての統合作業について打診されました。必要な物品の購入は12月半ばまでできないことがわかっていたため、ステージ構築の開始は2021年1月以降になってしまうということでした (800 m²の新しいコンクリート製の床を含む)。そしてチームは、すべてを2021年3月末までにセットアップするのは大変だと感じていました。プロジェクトリーダー (Project Lead) とプロジェクトの企画および現場マネージャー (Planning and On-Site Manager) を担当した Stefan Soellner (ARRIソリューショングループ、テクノロジー ミックス・リアリティ プロダクション ソリューションのリーダー (Head of Technology Mixed Reality Production Solutions)) はこのようにまとめます。「計画と設置の期間が5ヶ月という非常に難しい状況でしたが、DARK BAYは完成したステージにとても満足しています。それが重要なのです。」

現在、『ダーク』の制作チームによる新しいミステリーシリーズのNetflix作品『1899』の撮影がDARK BAYで行われています。

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現在、Netflix作品『1899』の撮影がDARK BAYで行われている。『1899』では特にARRIレンタルにより、Alexandre WillaumeやAnton Lesserなどの俳優の撮影は、ALEXA Mini LFとALFAレンズで行っている。撮影:© Rasmuss Voss

ARRIレンタルのグローバル テクノロジーのリーダー (Head of Global Technology) であり、DARK BAYバーチャル プロダクション ステージでのARRIサイドのプロジェクトリーダーでもあるDavid Bermbachは次のように続けます。「スタジオを訪れると、今でもそのクリエイティブなパワーに圧倒されます。そして、『1899』チームがこの作品の制作に費やす信念と勇気には恐縮しています。また同時に、ARRIのさまざまな部門がすべて協力し、献身的なパートナーとともに熱心に取り組み、チームに加わり、時間的なプレッシャーやあらゆる技術的な問題にもかかわらず、この新しいクリエイティブなツールを私たちの業界にもたらしたことを誇りに思います。」

このような規模と多用途性を必要とするプロジェクトは、素晴らしいパートナーがいてこそ実現可能なのです。ですから、ARRIはとりわけ、DARK BAYスタッフであるBaran bo Odar、Jantje Friese、Philipp Klausing、Christina Caspers-Römerに対し、リスクを負いながらステージを完成してくれたことに感謝します。そしてもちろん、非常に短い時間の中でプレッシャーと戦いながら完璧に仕事をこなしてくれた会社とサプライヤー (以下に記載) にも心より感謝しています。

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このような規模と多用途性を必要とするプロジェクトは、素晴らしいパートナーがいてこそ実現可能なのです。(左から右へ) Christina Caspers-Römer (DARK BAY)、Stephan Ukas-Bradley、Stefan Soellner、Thomas Stoschek、Fynn Kahlert (すべてARRIスタッフ)、Philipp Klausing (DARK BAY)、Thomas Higgins (ARRI)    撮影:© Alex Forge/DARK BAY

この結果に満足しているのは、DARK BAY社とARRI社のチームだけではありません。2021年9月には、Netflixの創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス氏がDARK BAYと「1899」のセットを訪れ、絶賛しました。詳細は「Deadline」と「Head Topics」でご覧ください。

プロジェクト名:DARK BAYバーチャル プロダクション ステージ

プロジェクト期間:

2020年10月:計画開始
2020年12月末:購入開始
2021年1月:現場作業開始 (掘削作業、コンクリート基礎など) 
2021年2月:LEDウォール設置およびその他の設置作業開始
2021年3月15日:LEDウォール キャリブレーションおよびテスト開始
2021年4月1日:ステージは制作に使用可能となったがテストは継続され、最初のセットが設置される
2021年5月3日:『1899』ボリューム撮影開始
主たる会社:DARK BAY GmbH
ロケーション:スタジオ バーベルスベルク、ステージ3
スタジオ仕様:
スタジオ規模:56 m x 30 m、高さ14 m
LEDボリューム (楕円形)  367 m²、高さ7 m、ROE Ruby 2.3
LEDシーリング 253 m² (U字型)
LEDゲート 96 m²、4つに分かれた可動式パーツ
ARRI SkyPanelシーリング162,5 m²、70台以上のS60-C、50台以上のARRI Orbiter
サーバールーム:22台のLenovo P620および44台のNVIDIA RTXA6000
Vicon Motion SystemおよびTrackMen GmbH
21 m 回転式ステージ、積載量25トン以下

ARRIのサービス:

テクニカルトレーニング
主要な設置会社10社との連携を調整
技術面での購入業務の調整
建設現場管理
照明機器:70台以上のARRI SkyPanelsおよび50台以上のARRI Orbiterなど
ARRI Mini LFカメラパッケージ
MetadataとUnreal© Engineのインテグレーション
シグナル伝達バックボーンの設定 (ネットワーク、映像、照明機器、sync、タイムコード)

参加企業 (アルファベット順):

ARRI
Art Department Studio Babelsberg
Atos
Brinkmann & Wiehn
Faber AV
Framestore
Frontline
Megapixel
Nefzer
NVIDIA
Rittal
Setis
Studio Babelsberg
TrackMen
ROE
Vicon

DARK-BAYに関する詳細情報は、www.dark-bay.comにアクセスしてください。

オープニング画像:© Alex Forge/Netflix