さまざまな都市で2年ごとに開催される世界空手道選手権大会には、世界各国から強豪が参加します。ハンガリーのブダペストにおける前回大会では、ARRIのカメラが競技に密着しました。主催者でもある放送局、ISB(International Sports Broadcasting)との協力のもと、ARRIのMulticamシステムは、競技の世界中への生中継を支える大きな役割を果たしました。ライブエンターテインメント中継システムにAMIRA Liveカメラ3台を完全に組み込み、特別に開発されたプラグアンドプレイソリューションを用いることで、中継時のシンプルなワークフローが実現しました。その結果、映画やTVシリーズでの視聴者の心を動かす高画質に匹敵する、映画的な明るい中継映像が可能になりました。
ISBのマネージングディレクターであるウルスラ・ロメロ(Ursula Romero)は、「本当に大きな革新です。中継用として現在用いられるシネマティックスタイルカメラのほとんどが、サイドラインからの撮影やリプレイ用撮影、またはハイライト用の補助映像にしか対応していないのですから」と述べています。世界空手連盟(WKF)の長年のパートナーである同局は、高画質での空手中継にあたり、3台のAMIRAカメラと11台のスタンダードなHDライブカメラを使用しました。AMIRAカメラのうち1台は手持ちカメラとして動きのある撮影やクローズアップに用いられ、残りの2台では三脚を使って、大会の全体像を撮影しました。
ロメロ氏は、こう説明しています。「格闘技の場合よくあることですが、会場では照明が大幅に抑えられていました。それでも今回使用したARRIのカメラは、競技をもっと明るく見せることができましたし、何よりも、被写界深度がはるかに浅くなる素晴らしいレンズを使うことができました。」映画業界のバックグラウンドを持つ彼女は、今回の選手権を映画的なルックで撮ることを選びました。中継クルーは、ARRIのMulticamシステムが可能にするさまざまな視点やアングルを活用して、小さな競技場で展開される空手を細部に至るまで映し出しました。選手のあらゆる姿をとらえられるようになり、大会全体で、選手たちの動きや表情、そして感情をクローズアップで撮影することが可能になりました。